ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.6     ~読み聞かせ+音楽「朗読コンサート」~

 2017年12月。2回目の区役所会議を終え、企画案の修整を重ねていました。ちょうどそのころ、「絵本を使ったイベント」に、心強い助っ人が現れました。私が北九州のテレビ局で勤務していたときの先輩、Mさんです。

 

 年末、当時いっしょに働いていたメンバー8名で、忘年会が行われました。20年前、まだ20~30代前半でハチャメチャ、ボテボテだったころの笑い話で盛り上がります。ほろ酔いで渋谷駅へ向かう道中、「私ね、最近〈朗読教室〉に通い始めたのよ。子供が2人とも中学生になったから、そろそろ何か始めようかなと思って」とMさん。

 

 ニュース番組のキャスターだったMさんは、美しくて、仕事ができて、それでいてさっぱりとした気さくな性格で、今も憧れの存在です。その後結婚し、15年ほど育児に専念。学生時代から、国語の教科書を朗読するのが趣味だったそうで(!)、子育て中は、絵本の読み聞かせボランティアを続けてきました。

 

 朗読教室のことを聞いてハッと思い立ち、「夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクト」の話をしました。「もしこの企画が採用されたら、絵本の朗読をしていただけませんか」。「喜んで。お役に立てることがあったらうれしいわ」。Mさんは快諾してくれました。

 

 そのとき、ふと脳裏に7~8年前に見た舞台のことがよみがえりました。まだ小さかった長女を連れて見に行った、絵本『くまのこうちょうせんせい』の朗読コンサートです。絵本の作者であり、シンガーソングライターのこんのひとみさんが、生演奏とともに絵本を朗読する舞台。物語の世界に引き込まれて、涙が止まりませんでした。

 

 この舞台のように、〈読み聞かせ〉と〈音楽〉を合わせた「朗読コンサート」ができるといいな。それまでぼんやりとしていたイメージが、はっきりと映像で浮かんできました。ビジョンが明確になると、物事は自然と動き始めると聞いたことがありますが、この後思いがけない展開に。なんと子ども向けテレビ番組の音楽に関わっているプロのミュージシャンが、朗読コンサートで生バンドを担当してくれることになったのです。

役者はそろった。胸が高なりました。