夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.3 ~物語の舞台は「夢見ヶ崎動物公園」に決定~
絵本の舞台はどこにするか――。
幸区全体では広すぎます。注目を集めそうなピンポイント1か所に絞りたい。
「幸区の魅力を発信する」ために、ふさわしい場所は……?
といっても、ショッピングモール「ラゾーナ川崎」くらいしか思いつきません。うーん、絵本の舞台とは、ちょっとイメージが違うんだよなあ。
幸区に古くから伝わる「小倉池」の伝説をモチーフにして、新たな物語を創るのは?調べてみると、埋め立てられて、建物があるとのこと。今も実在する場所じゃないと、実際に行ってみることができない。物語の舞台としては、もっと「親近感がわく場所」がいいなあ。
アイデアに行き詰っていたとき、おもしろい話を耳にしました。
ーー川崎市長・福田紀彦氏が、夢見ヶ崎動物公園を盛り上げようと、今期の公約に掲げた――。
これだ!! 夢見ヶ崎動物公園を舞台にした絵本を創れば、市長さんの目にとまるはず。幸区の魅力を、区内にとどまらず広く発信するには、夢見ヶ崎動物公園しかない。
「それはいいね」と、イラストレーターのKちゃんは大賛成。
「子供たちと何度か行ったけど、森の中にあって、動物と触れ合えて、家族でピクニックするにはいい場所よ。しかも入園料タダだし」
「え、タダで入れるの!?」
なんだかおもしろそう。
さっそく動物園のホームページを見てみました。なるほど、確かに入園料は無料。幸区民の憩いの場所として親しまれ、四季折々の草花が咲いている。子供からお年寄りまで、多くの人たちがピクニックに訪れる。
地元の人たちにとって「親近感がわく場所」。物語の舞台には、ぴったりです。
「何かここの動物園にしかない、これっていう特徴はないかなあ」
まあ、それは後からじっくり調べることにしよう……。
こうして絵本の舞台は、夢見ヶ崎動物公園に決定しました。
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2017年11月7日(火)、幸区役所で第一回目の打ち合わせが開かれました。鞄には、昨日ギリギリになってメモした提案書もどきと、Kちゃんが送ってくれた武蔵小杉公園の写真、そしてヤマタノオロチのパンフレット。
幸区役所は、武蔵新城にある我が家から、バスに乗って50分くらいの場所にあります。車窓の景色を眺めながら、内心、ドキドキしていました。絵本というアイデアに飛びついたものの、「幸区全体の施設や店を紹介するパンフレット」という区役所のオファーとは、ずいぶんイメージが違います。
お役所だから、きっと、ちゃんと調べあげて、きちんとまとめた正統派の印刷物が好みなんだろうな。「公園の物語」といっても、どんなものか想像がつかないだろうな……。あれこれ考えましたが、バスを降りるころには、すっかり気持ちが固まっていました。ダメでもともと、提案が通らなければ、他の案を考えればいい。
ドキドキしながらプレゼンしましたが、心配は杞憂に終わりました。ひととおり説明すると、幸区役所A課長、拍子抜けするくらいすんなりゴーサイン。「物語か、いいね」と賛同してくださいました。
でも、これで決定ではありません。この日から、3月の協働事業コンペに向けて、本格的に動き始めたのです。