ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.8          ~「新キャラクター」初夢で登場~

 2018年1月15日(月)。

朝保育園に娘を送ると、ロッカーのすみに小さな紙袋がありました。「お、きたきた……」。今日はKちゃんから、あるものが届くことになっていました。いそいそと鞄に入れて、大事に持ち帰ります。

 

初夢に、絵本の表紙が出てきたの――。保育園の帰り道、Kちゃんが興奮した様子で言いました。「それも、どこかで実際に見た映像じゃないかと思うくらい、はっきりとね。夢から覚めても、まだ鮮明に覚えてる」「それ、忘れないうちに描いておいて」。「うん分かった」。それから3日後、さっそく持ってきてくれたのです。

 

 表紙には、ナビゲーター役となるメインキャラクターが描かれていると、事前に聞いていました。「どの動物だろう。子供たちに人気のペンギン? キュートなレッサーパンダ? 開園後一番にやってきたシマウマ? いやいや意表をついて、あのアンニュイな表情の老ヤギだったりして」。ワクワクしながら、紙袋の中身を取り出すと……。「!!」

 

 なんと、私の頭の中にあったどの動物とも違うキャラクターがそこに。梅の花を敷き詰めた、ピンクの絨毯の中央に、一匹の猫がちょこんと座っていました。

 あとからKちゃんに聞いた話によると、この猫は、夢見ヶ崎動物公園内の神社に棲みついているノラ猫。動物園に来園した人についてきて、まるで道先案内するように、「にゃあにゃあ」と話しかけるのだそうです。その様子をユーチューブで見て、ずっと気になっていた。「そうしたら初夢に出てきちゃった」のだそう。

 絵本のキャラクターは、園内で”飼育している”動物と思い込んでいたから、最初に見たときはドギモを抜かれましたが、これが不思議と、時間がたつにつれてしっくりなじんできました。

  彼女は、その猫を「ブサ」と呼んでいます。シニカルにニヤリと笑う表情が、なんとも印象深く、一度見たら忘れられない独特の存在感。今回の絵本は、この地に刻まれた長い長い歴史をモチーフにした物語です。案内するナビゲーター役は、オリの中の動物ではなく、自由に動き回れるノラ猫が、はまり役と言えるでしょう。何歳か分からない、どこから来たかも分からない、謎めいたイメージもぴったりです。

 しだいに、この絵本のキャラクターは、「ブサ」しかいないと思えてきました。

   こうして、2018年1月15日。記念すべき、まさ出版第一号の新キャラクターが誕生したのです。

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《「ブサ」の紹介》

はるか昔から加瀬山にすんでいるノラネコ。人間よりずっと長く生きているため、自分が一番エライと思っている。ちょっと生意気で、高飛車な態度をとるものの、どこか憎めないユニークなキャラクター。人間の言葉を話しているつもりだが、「な」行が「にゃににゅねにょ」になってしまう。