ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.12       ~企画に関わることを決めた「本当の理由」~

 2018年4月9日、幸区役所で協働事業の契約内容を確認。今回の企画に協力してくれる各方面の方たちに、プロジェクトが正式にスタートすることを報告しました。

 

 2日後の4月11日、まず始めに伝えたのは、編集者のIちゃん。ちょうど仕事でいっしょになる機会があったので、絵本プロジェクトの企画書や契約書類を持参しました。この日は、新発売された健康食品の広告の打ち合わせ。浜松町にあるクライアント企業に行った帰り道、洋食レストランでランチをしました。

「いろいろ変更があって、最終的に決まった内容がコレ」「どれどれ見せて」。手渡した契約書類に真剣に目を通していたIちゃん。ふとある箇所で視線を止め、「あっはっはっ」と手をたたいて笑い始めました。「マジですかこれ!?」「これマジです」。予想通りの反応だったので、私はオムライスを口にはこびながら、たんたんと答えます。「絵本24ページって、これじゃ1ページも発注できませんけど」。

 確かに、制作スタッフの日給1000円(←「時給」ではない)には、出版社の人が驚くのも無理もないことでしょう。当然のことながら、契約にこぎつけるまでの半年間を含め、資料作りやスタッフ手配などの業務についてはノーギャラです。

 

 別の日に報告したOちゃんは、開口一番、「で、何のためにやってるわけ?」と心底不思議そうに尋ねました。長男の幼稚園時代のママ友Oちゃんは、私が出版社を起ち上げたときから、いつも相談にのってくれます。迷ったときにズバッと本音でアドバイスをくれる”影のボス”。私は「社長」と呼んでいます。毒舌ナンバーワンのOちゃんは、容赦なく続けます。「ギャラはない、著作権はない、あたしゃてっきり宣伝のためにボランティアやってんのかと思ったら、まさ出版の名前も出ないってどういうこと??」。本当にごもっともな意見で、かえす言葉もありません。

 

 私自身、これまで何度も「なぜこのプロジェクトに関わるのか」を自問してきました。ひとつ大きな目的は、「ママアーティスト」を起用した本づくり。2つめは、「絵本+イベント」のコラボ。まさ出版が目指す事業モデルを、今回のプロジェクトで実際に試してみたいと考えました。

 でも、本当の理由は別にあります。それは、やってて楽しいから。前に触れたように2016年夏、体調を崩し、それまでの私とは別人のように、何事にも気力を持てない時期が長く続きました。家族や友人は、もう何でもいいから、やっと一生懸命になれる物が見つかってよかった。元のYちゃんに戻ってよかったと思っていたようです。

「応援するよ」。IちゃんとOちゃんは、私に同じ言葉をかけてくれました。