ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

三鷹の無人古本屋 ~生活の延長線上にある夢~


一般的な展示会では、絵を描いた画家さんが
来場客とお話をする。絵の説明をしたりする。

 

今回の展示会の主催者は、一応会場にいるけれど、
あるときは、もくもくと絵や文章を書いている。
あるときは、子どもの遊び相手をしている。

 

もちろん来場した方と話すこともあるけど、
いつも対応するというわけではない。
そういう意味で「無人」なのだ。

 

ノートを置いておいて、来場してくれた方の感想はそこに書いてもらう。
一日の終わりに、そのノートを見た主催者がお返事を書き込む。
そのほうが、来場者にとっても、かえって気楽だったりするかも。

 

そもそも、「無人の古本屋」をしようと思ったのがきっかけだ。
無人の展示会」もおもしろい。

 

夢に膨大な時間とエネルギーを注ぎ込む生活を
2年以上続けてきて思った。
夢を追いかけて楽しいはずなのに、自分がどんどんすり減っている気がする。
これだけ時間とお金を使っているのだからと、期待も自然と大きくなる。
それが成果を生まなかったときの落胆も大きい。

 

私は、自分の気持ちとはっきり向き合った。
夢を追っている、今の自分は楽しいか。

疲れている。ワクワクしてない。
それでは、夢を追っている意味はない。
夢は、人生を楽しむためにあるのだから。

 

私は、夢をいったん脇に置くことにした。

 

需要がある仕事をして、
家族との暮らしを心から楽しんで、
それで十分幸せ。
くるっと簡潔するハッピーな暮らしをつくろう。
「適職+家しごと」のベースをしっかりつくろう。

 

こうはっきり思い定めて
準備を始めた矢先。
無人の古本屋の記事に出会った。

 

衝撃を受けた。
目からウロコがぼろっと落ちた。
夢を追うってこんなお気楽なスタンスがあるんだ。
全力で追うのではなく、たりったりっと、スキップしながらかなえる夢もあるんだ。

 

ポイントは、
仕事と暮らしのベースがしっかりあって、
夢はその延長線上にあるということ。
もう少し具体的に言うと、
自分がふだんからやっているハッピーなことを、
ほかの人にもおすそわけすること。

 

自分がもともとやっていることだから
ぜんぜん無理しなくていい。楽しみながらできる。

 

無人の古本屋さんは、
もともと本が大好きで、自分が好きな本を
ほかの人にゆずる仕組みをつくった。

 

会社員と家族の生活を大切にしつつ、
ベースの延長線上にある夢を見つけた。
時間もお金もかけていない。

 

さらに、本屋を開くという自分の夢をかなえるだけではなく、
人にも幸せが広がっている。

 

私もこれからは、無人古本屋さんのスタイルでいこう。
そう考えて、無人ライブラリーに結びついたというワケだ。

家にある本を利用して、できること。
仕事がお休みの週末、子どもと遊びながら、できること。
いつも子どもと遊びにくる場所で、できること。

 

ライブラリーを開くことはできる。
絵本の原画を展示することはできる。

 

いったん今までのやり方をリセットして、
ゼロから、もう一度始めよう。