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今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

『ゆめみがさきのふしぎにゃトンネル』誕生秘話vol.4~ふつうの主婦が絵本作家になる夢をかなえる、の巻~

『ゆめみがさきのふしぎにゃトンネル』誕生秘話vol.4

~ふつうの主婦が絵本作家になる夢をかなえる、の巻~

 

「あずちゃんのことを紹介したいから、プロフィール文を考えてくれない?」「そうねえ……、パート勤めのふつうの主婦って書いといて(^^♪」。

イラストを担当したあずは、表に出るのが苦手なタイプ。「あず」というペンネームも、本名を明かさないために考えたのだそう。この機会にあずのことを紹介したい。

『ふしぎにゃとんねる』の絵は、繊細な風景の描写や迫力のある色使いから、プロのイラストレーターによる作品と思われるようだが、なんとあずは、この20年間、絵筆を握っていなかったという〈ふつうの主婦〉である。ふだんは、3人の子供を育てながら、絵とはまったく関係ないパートの仕事をしている。子供のころから絵を描くのが好きで、絵本作家になりたいという夢をもっていた。でも、学校を卒業後、夢とは違う分野の職業を選択。仕事や子育てに追われているうちに、絵を描くことから遠のき、いつの間にか忘れて去っていた。でも、心のどこかで夢は生き続けていたのだろう。本屋で、好きな絵本を見つけては、コツコツと集めていた。あずは、娘が通う保育園のママ友。ある日、ふとした会話で、絵本を100冊以上持っているというハナシを耳にした。そして、むかしは絵本作家になりたかったということも。

「じゃあ絵本をつくればいいじゃない」とわたし。そんななにげない会話がきっかけとなり、『ふしぎにゃトンネル』が誕生したというワケだ。埋もれていた夢を思い出したあずは、前にも増してキラキラしている。「仕事の合間に、ずっと絵のことを考えてた。こんなふうに描こうってアイデアが湧きまくって、頭からずっと離れないの。食事も風呂も、他のことは全部忘れちゃってた。早く描きたくて、ほんとに楽しくて楽しくて」。夢ってこんなに人を輝かせるものなんだ。原画からあふれだす「夢パワー」が広がって、みんなが自分の夢を思い出すきっかけになればいいな、と願う。