ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

【11日目】「セルフサービス」のクリームソーダカフェ

2019年7月30日(火)

 

今日、ようやく梅雨あけ宣言があった。
新聞には、「やーっと梅雨明け」というも文字。
昨日から、ぎんぎらぎんの太陽が照りつけている。

 

3日目の日記で、営業する場所の許可について書いた。
食べ物を販売する場合、営業する場所の許可のほかに、
食品衛生法に基づく営業許可」が必要らしい。がーん。

 

これまた調べてみると、初心者にとってはややこしい。

保健所に行って、書類を書く。
お店を開く「場所」の図面と、
使う「道具」と「材料」を見せて、許可をとる必要があるという。

まず第一に、場所の許可が降りるかどうか決まってない。
次に、道具や材料も何を使うか決まってない。
保健所に行く前から、くじけそうになった。

 

カフェの開催まで、二週間をきっている。
場所の許可をとって、
保健所に書類を提出して、許可がおりるのを待って……、
とそんな悠長なことをしている暇はない。

 

さて、これはどうしたものか。

 

そのときふと、
『小商いのはじめかた』の一文を思い出した。

和食屋を運営している女性の話。
最初は、生徒2人だけの料理教室からスタートしたそうだ。
「料理教室は、飲食店を開くのとは異なり、
食品衛生責任者などの資格や保健所の営業許可なども必要ない。
また飲食業界で働いた経験がなくても、
思いついてからすぐにやってみることができた」

 

これだ!
作り方を教えて、自分で作るスタイルなら、
保健所の許可は必要ない。

つまり、クリームソーダの作り方を教えて自分でつくる
「セルフサービスのカフェ」である。
材料さえ準備しておけば、あとは混ぜるだけなので
はじめての人でも簡単にできる。

 

そういえば、以前にNPOが主催する、フォカッチャづくり(イタリアのパン)のワークショップも、同様のスタイルだった。
パンの生地をみんなでこねて、焼いて、ワイワイ話ながら食べる。
代表者が話していた。
「自分たちでつくって食べるぶんには、保健所の許可がなくていい」。

 

フォカッチャづくり以外にも、イベントでセルフサービスのおにぎり屋さんをしたそうだ。炊いたお米と具材を並べて、自分でにぎってもらう。これも自分でつくって食べるのだから、保健所の許可はいらないのだろう。

そのときは保健所の許可って何だろう?とよく分からなかったけれど、そういうことか。

 

「セルフサービスのカフェ」は
二子玉川のビュッフェにもヒントがあった。

数ヶ月前のこと。
2号といっしょに、デザートの種類が多いビュッフェに行った。
お菓子づくりが好きな2号といっしょに
「研究」と称して、食べ歩きをする。

ビュッフェなら少しずつたくさん味見ができる。
ずらっと並んだデザートを、
ひとつずつとって二人でシェアする。

 

一番おいしいと感じたのは、
色とりどりのケーキでも華やかなチョコレート菓子でも
クッキーでもない。

2号と私が選んだ、ダントツ一位が
セルフサービスで焼くワッフルだ。

 

ワッフルメーカーが2つ並べてあって、
隣に小麦粉を溶いた生地とお玉が置いてある。

生地をワッフルメーカーに流し込んで、待つこと数分。ワッフルがこんがりと焼けるいい香りが広がる。
焼けたら、好みの食材をトッピングする。
ベリー類やチョコチップ、生クリーム、
アイスクリーム、メイプルシロップなど。
焼きたて熱々のワッフルにたっぷりと乗せる。
凝ったデザートがたくさんあるなかで、
シンプルなワッフルが一番おいしかった。

 

このとき、カフェにきて
セルフサービスでつくるのもいいな、と感じたのだ。

 

もうひとつ。
これも、2号といっしょに、「研究のために」行ったワークショップ。近所のハンモックカフェという喫茶店で行われた
ヘルシーな材料を使ったパフェづくりワークショップだ。
手作りのココナッツアイスや豆乳寒天をつくって、
グラノーラやあんこといっしょにガラスの器に盛り付ける。
どのように盛り付けるかデザイン画を描く作業も楽しかった。
 
参加料はひとり2000円くらいで、作って、食べて、存分に楽しんだから値段の価値は十分あった。
ココナッツアイスが気に入って、何度も作ったから、夏のアイスクリーム代がずいぶん浮いたし。
このココナッツアイスは、生クリームも卵も砂糖も使わない今注目のヴィーガン向け。このアイスをクリームソーダに使えば、アレルギーが気になるお子さんだけでなく、ヴィーガンが増えているという外国人の方にもいいかも。

お店の人が作ってくれたパフェを食べるなら、ひとり1000円もしないけれど、自分でつくるところから体験することで、2000円の価値になっているのだ。

食べるだけではなく、みんなでワイワイ言いながら
作る過程も楽しめるし、
一回作り方を教えれば、自宅で作れるようになる。
冷蔵庫にシロップとアイスクリームさえ用意しておけば、
子供が自分でおやつを作ってくれて、お母さんとしても大助かりというわけだ。

 

お友達と集まって、みんなでワイワイ、クリームソーダカフェ。
昨日のテレビで紹介されていたクリームソーダ職人の方も、最初はお友達といっしょに作ってみたとおっしゃっていた。
クリームソーダは、単に飲み物というだけではなく、
人と人をつなぐツールなのだと。

 

こんなカフェがあるとおもしろい。