ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

現実から物語の世界へのスイッチ「チリリーン……」

2019.7.2(火)

「読書のまち・かわさき」の活動の一環として、
ストーリーテラー末吉正子さんが講師を務める
研修会があり、参加しました。
お題は、
「楽しく広がる語りの世界~多様なスタイルの語りの世界を体験しませんか?~」

中央にパイプ椅子をひとつ置いて、
末吉さんが物語を語ります。

派手な舞台セットも、小道具も、絵本すらもない、
身ひとつで、物語の世界を作り出す、
語り技術には感動しました。

身ひとつで物語の世界を表現するというところが、
どこか落語と似ているような。
末吉さんが語り出すと、
物語の風景がありありと目の前にあらわれます。
大切な人との別れをテーマにした「ブタばあさん」の物語は、
私も含め会場中が涙しました。

さきほど「身ひとつ」と言いましたが、
そうそう、末吉さんが唯一持っている道具がありました。
それが、ティンシャという外国の楽器。
シンバルのように2つを打ち付けることで、
チーン……という音がします。

物語のタイトルを言ったあと、
本文を語る前にチーン……とならします。
末吉さんいわく、
物語の世界に目と耳と心を引き込む役割をしているそうです。
つまり、現実から物語の世界へ切り替えるスイッチというワケです。

手のひらにおさまるほどの小さな楽器ですが
会場中の空気を一変させるような
澄み切った音がします。

そういえば、我が家にも
とても似た音がする楽器があります。
わずか2~3センチほどの、小さな鈴のような楽器。

もう10年ほど前のこと。
二子玉川の雑貨屋で、息子1号が、
どうしても欲しいとだだをこねたので購入しました。
これも、どこか外国の伝統的な楽器だったと思います。

ほかのおもちゃは、ほとんど処分しましたが、
この鈴だけは、チーン……という音が心に残って
まだとっておいたのでした。

この鈴を朗読会のときに使ってはどうだろう。
小さいから持ち運びもラクだし。

思いがけないヒントをいただきました。