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今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

制約がオリジナリティを生む

2019年6月9日(日)

肉や魚、卵、乳製品を使わないヴィーガン料理が注目されているという新聞記事を見た。
私はヴィーガンではないのだけど、
この記事に興味を持ったのは、
「制約がかえってユニークな工夫を生み出しているところ」。

 

ヴィーガン料理だけではなく、
企画も同じ。

 

イベントを開催するには、膨大な準備から当日の運営に、
豊富なマンパワーがいる。
さらに、その人たちに支払うギャランティーや
設営のための道具を購入する代金、場所代など、お金も必要だ。
大きな組織には資金力があり、
経理や運営をまかせられるマンパワーもある。

 

まさ出版には、お金とマンパワー、そのどちらもない。
マンパワーを必要とせず、お金もかけず、
絵本を宣伝する方法はないものかと考えていたときに
出会ったのが、「無人の古本屋」という記事だった。

 

店主は本好きで、本屋を開きたいなあと
密かに願望を持っていたものの、
サラリーマンで家庭もあるから
自由な時間もお金も限られる。

 

そこで、自分が読み終わった本を空き店舗に並べて
古本屋を開いた。
店番はなし、会計は「ガチャ」におまかせ。
古本屋を中心に、人の輪が広がっているという。

 

お金もマンパワーも必要ない。すばらしい。
そこで、無人ライブラリー、無人原画展を思いついた。
本や絵を展示しておけば、それを見てもらえる。

 

動物園など、もともと人が集まる場所で開催すれば、
大々的に告知しなくても通りかかった人が集まってくれそうだ。

しかも、一度展示会のセットを丁寧につくっておけば、
それは、場所と時を変えて、何度でも使えるというのもメリットだ。

 

しかも、お寺を美術館にすれば、
木のぬくもりある空間が、低予算で借りられる。
それになんといっても、お寺の和の空間と、アートは、相性抜群。
このことは、高願寺で絵画展が開かれているのを見たとき、確信した。

 

「アプリで絵本をつくろう」ワークショップ企画を思いついたのも、
子供が3人いるうえ、娘3号がまだ小学生のうちに夫は定年退職になる。そうなると、ひとりひとりに、プログラミングや英語、水泳の教室へ通わせるのは難しい。それぞれの子供が興味を持ったことひとつに、限られた育児の予算を集中投下したかった。

 

制限があることが、かえってユニークなアイデアを生む。
その理由は、簡単だ。
資源が少ないから、その一点を深く掘り下げるから。

 

たくさん資源があって選択肢が豊富にあると、
目移りしてどれも中途半端になることがある。
一方、一点しか資源がないと、
うまくいこうが、いくまいが、
ほかに選択肢がないのだから、あの手この手を駆使し
一点集中で極めざるをえない。

 

その結果、今までにないオリジナルのスタイルが
生まれるというわけだ。

 

ヴィーガン料理に話を戻すと、
肉も魚も卵も乳製品も使えないのだから、
野菜のうまみにこだわって、とことん引きだそうとする。
そこからユニークなアイデアメニューが生まれた。

 

もうひとつのメリットは、
お金とマンパワーが必要ではないアイデアは、
多くの人が気軽に生活に取り入れやすく
広まる確率が高い。

 

マンパワーとお金が潤沢になくても、
それを個性としてプラスにとらえる。
これがない、あれがないと嘆く時間があったら、
その中で何ができるか考えることに使う。

そこからユニークなアイデアが生まれるんだと思う。