ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

パラスポーツならではの魅力

 

市会議員のMさんと区長さんの話で、
オリパラ推進室が今力を入れようとしている課題が分かった。
パラリンピックの注目度をさらにアップさせるのが今一番の課題」
「とにかくパラリンピック川崎市は多様性、がキーワードですから」

 

川崎市では、「かわさきパラムーブメント」というプロジェクトを
立ち上げて、さまざまなイベントを行っている。
「ほら見てください」
Mさんや区長さん、市職員の方たちは、「パ」というロゴが入ったものをいろいろ身につけていた。
つまり、いま需要があるのは、パラリンピックということだ。

では、パラリンピックを切り口に、何ができるのか考えてみる。

そこで、1年以上前に受けたセミナーを思い出した。
ある障がい者団体が主宰したパラスポーツのボランティアを
養成するセミナーだった。
その中で、障がい者の水泳世界大会の様子を撮影したDVDを
見たときのこと。

予想外の自分の反応に驚いた。
競技を見ながら、涙があふれて止まらなくなったのだ。
どうしてか分からない。
とにかく心が大きく揺り動かされた。

なぜ涙が止まらなかったのか。
なぜこれほど、心を動かされたのか。
セミナーが終了したあと、わたしは考えた。

水泳競技に出ていたのは、
脚と腕の一部を交通事故で失った選手だった。
残っている機能をせいいっぱい生かして、懸命に前に進んでいる姿。
もう理屈ではない、言葉では伝わらない。
泳いでいる姿そのものが、私の心を大きく動かしたのだ。

親しいママ友達Aちゃんは、3人の子供のうち2人が障がいがあると医師に告げられた。
落ち込んでいたAちゃんに、叔父さんがこんな言葉をかけた。
「いいところが1つあったらいい。いっぱい伸ばして、生かしてあげて」

叔父さんも、交通事故で障がい者になった子どもがいる。
Aちゃんは、その言葉を支えにして、いつもお守りにしているそうだ。

 

私も、ちょうどそのころ、

体調不良のため、原稿が書けなくなっていた。

私にできることは、書くことしかないのに、

大げさではなく、これからどうやって生きていったらいいか途方にくれていた。


失ったものを見るのではなく、
残った機能を生かして、あの水泳選手のように、精一杯前に進もうと勇気をもらった。

 

これをきっかけに
パラスポーツにしかない魅力があることを知った。

セミナーの講師を務めたパラ水泳のコーチは、
パラスポーツを観戦する面白さを、熱をこめて語っていた。
「泳いでいる選手が、みんなコースロープにくっついて泳いでいるでしょう。これは、目が見えないから、ロープを目印にして泳いでいるんです。となりのコースに入ってそのまま泳いじゃう選手もいるんですよ」
「ターンをするときは、激突するかもしれないから命がけ。一生懸命泳いでいると、合図に気がつかないことがあるから、プールの壁が近づいたら、棒でけっこう強くゴーンと頭をたたくんですよ」

パラリンピックの切り口で、絵本を提案するとしたら。
パラスポーツならではのおもしろさをイラストで伝える
A3一枚絵本はどうだろう。

(おもて)等々力公園マップ+公園で行われるパラスポーツ競技のおもしろさを伝えるイラストをつける (うら)くじらの絵本