好きなことだけ残す たからこ/ステンドグラス作家
高校時代の友人で、ステンドグラス作家のかずみちゃん。
順風満帆の作家生活を送っているのかと思っていたら、
じつは、ここ1年半くらい、
インスピレーションがわかず、
まったく作品を作っていなかったのだそう。
スランプに陥ったきっかけは、
個展の準備で無理をしすぎたことなど
いろいろあったようですが、
食欲もわかないし、眠れないし、
この1年で15キロも体重が減ってしまうほど、
状況は深刻でした。
でも、先日会ったかずみちゃんは、
なんだかスッキリした表情で、
ようやく長く暗いトンネルを抜けたことが
雰囲気からわかりました。
かずみちゃんいわく。
「もうね、いやなことは、一切せんっち決めたと。
原価計算して、売値決めて、値札つけて、
どこかで個展してとか、そんなのがぜーんぶいや。
おうちで好きな作品を作っていたい。
目指すは、50歳までに引きこもり生活!」
そう決めてから、
作品を販売するのは、ネット通販一本に絞ることにしました。
さらに、ホームページの作成や管理は、一切プロにおまかせすることにしたのだそう。
月2万円×8年間の契約で、けっして安くはないけれど、
そうすることで、気分が軽くなって、
作品づくりに対する意欲が戻ってきたといいます。
かずみちゃんがこんなことを言っていました。
「もうイヤって、バターンとやめちゃう時期があってもいい。
でもゆっくり休憩したら、
全部やめちゃうんじゃなくて、
何がいやで、何がやりたいのか、きちんと整理して、
やりたいことは続けたほうがいいよ」と。
分野は違えど、同じクリエーター同士。
スランプの苦しみは、言葉で伝えなくとも、お互いによくわかります。
ありがとう、かずみちゃん。