ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

母子くじらの物語をつくろう

 

くじらの物語の1場面には、

密かに、私のある思いがこめられています。

 

4年前の今日、

大切な妹の、大切な息子が、亡くなりました

 

乳幼児突然死症候群

前日の夜まで元気だったのに、

なんの前触れもなく、本当に突然、

朝起きたら冷たくなっていたそうです

 

たくまくんのことを、こうして書くことができるまで、

4年の歳月が必要でした

まだ書いていても、涙がとまらず取り乱してしまいます。

 

妹の腕に抱かれたたくまくんに対面したとき

棺のふたを閉めるとき

小さなお骨をひろうとき

 

ただただ、崩れ落ちそうになりながら

妹の背中を必死でなでることしかできませんでした。

 

この4年の間、私からたくまくんのことを口に出すことは

一度もありませんでした。

妹の気持ちを考えると、

どんな言葉も、どんななぐさめも、ちっぽけなものに感じる。

 

口に出したとたん、押しとどめている大きな塊が

堰を切ってあふれ出しそうだから。

一番悲しい思いをしているのは、妹なのに。

 

 

お姉ちゃんはたくまくんのことを

忘れてしまったんだと思っていることでしょう。

お姉ちゃんは、あまり悲しんでいないのだと

思っていることでしょう。

 

でも、忘れてなんかいない。 

冷たく、小さな重みの感触は、

今も両腕にはっきりと残っていて

忘れようがありません。

 

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赤ちゃんくじらが、神奈川県の海岸に打ち上げられた

ニュースを聞いたとき、

真っ先に母クジラのことが頭に浮かびました。

クレーンで釣りあげられる赤ちゃんクジラの映像が、

あのお葬式の記憶と重なったのです。

母くじらは、きっと、人間に見えないところから

この様子を見守っているだろう。

どんなに悲しい思いをしているのだろう。

涙で、見つづけることができませんでした。

 

「赤ちゃんくじらのことだけじゃなく、

母子くじらの物語にしよう」

 

私の意見に、あずちゃんも、すぐに賛成してくれました。

 

妹に伝えられなかった思いを

絵本に託そうと思っていました。

どうして亡くなってしまったのか分からない

どうして、どうして、どうして???

誰のせいでもないと専門家に説明されても

自分のせいと考えてしまう。

 

消化できなかった思いを 

くじらの絵本の1場面にこめました。

 イラストレーターのあずちゃんも泣きながら描いたそうです。

 

 

私はあのとき、くじらからのメッセージを受け取りました。

 

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 妹は、今、とても幸せです。

かわいい2人のこどもと

素敵なだんなさまに囲まれて。

 

その幸せをいっぱい味わって生きています。

 

お姉ちゃんも、あなたの幸せをいっぱい願っています。

いっぱいいっぱい豊かな時間が過ごせますように。

あなたの使命を果たせますように。

遠い場所から見守っています。精一杯応援しています。

 

伝えられない思いをこめて

お姉ちゃんより

 

2019.4.5(金)