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今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.26「~つながる ひろがる~ゆめみらい交流会」開催 

「なぜ絵本企画を提案したか」

 

 夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトがスタートしてから、2か月後の2018年6月。「~つながる ひろがる~ゆめみらい交流会」が立ち上がりました。動物園を核として、地域コミュニティを活性化させる交流会。川崎市幸区役所が、地元の人たちに広く呼びかけて実現しました。

 今日2018年(平成30年)12月4日(火)18時30分から、第2回目が開催。夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトが始まってから1年間の成果を、発表することになりました。区役所から伝えられたお題は、「絵本制作の過程で、見つけたおもしろいこと」。なぜ絵本企画を提案したのかということについても、説明してほしいとのことでした。そこで、このプロジェクトを発案した1年以上前にさかのぼり、もう一度振り返ってみました。

幸区の魅力を伝えるパンフレットをつくってほしい」。これが、幸区役所からのオーダーでした。魅力はたくさんあるけれど、どこに焦点を当てるのか、どんな方法で伝えるのか。役所の紙媒体を作った経験もなく、ゼロから暗中模索。その過程で、2つの課題が見えてきました。

 

 ひとつめは、地域の魅力や歴史を知ってほしいと押し付けても、「教科書でお勉強」になってしまう。「もっと楽しく、身近なものとしてアプローチできないか」、ということ。いい案が思いつかずモンモンとしているとき、まさ出版のイラストレーター・かずさんが提案してくれたのが、「絵本」という方法です。これだとピンときました。

 絵本なら、イラストやストーリーを楽しみながら、その中にこめたメッセージを伝えることができます。さらに、お母さんが子供に絵本を読み聞かせをすることは、日常の習慣として根づいているもの。地域の魅力を楽しく、身近なものとしてアプローチするには、絵本しかないと思いました。

 こうして誕生したのが、絵本「ふしぎにゃトンネル」です。夢見ヶ崎動物公園にあるカイヅカイブキのトンネルがタイムマシンに変身。お寺に住む猫・ブサについていくと、木々のすきまから、はるか昔の風景が見える……というストーリーです。小さな子どもでも楽しめるよう、歴史の詳しい説明はあえて触れず、色彩豊かなイラストに仕上げました。

 

 もうひとつの課題は、紙媒体を作って配ったら終わりではなく、そのあとの行動につなげたいということ。絵本は、行動につなげるための、きっかけを作るツールにすぎないと思っています。

 私が仕事でお世話になっている料理雑誌の出版社では、ここ数年、「紙媒体×イベント」のコラボに力を入れています。社内や街にイベント専用のサロンを作り、人気料理家が雑誌で紹介したレシピを伝授する教室を展開しています。

 今回のプロジェクトでは、予算が限られているため、専用サロンを作ることは難しいのですが、既存のイベントと絵本のコラボは可能。たとえば、市内の読み聞かせサークル、人形劇団、ペープサート劇団、学校の授業など、この絵本を使ってもらえないか広めていく予定です。

 区民自ら広報活動に関わることで、街の魅力を広く発信できるのではないか。そんなふうに願っています。