ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

森オフィスの一日は、「黄金の泉」のヨガでスタート

 

 最近はまっている本、『死ぬまでに行きたい!世界の絶景』詩歩著(三才ブックス)。タイトルの通り、著者の詩歩さんが世界中から選りすぐりの美しい景色を集めた一冊です。

 

 娘のお昼寝タイム、自家製サングリアとチーズをおともに、さっそく本を開きました。フィンランドのオーロラ、トルコのブルーモスク、イタリアの世界遺産に登録されているカラフルな建物etc.――、この世のものとは思えない、まさに絶景。

 

 1ページ進むごとに、思わずため息がこぼれます。ああ、こんなところに行ってみたいなあ。でも、幼児を連れて行くとなるとなかなかハードルが高い、いやそれ以前に、家族5人で行くとなるとウン十万円の世界だろうなあ。。。などと考えながら、次のページをめくり、「あっ……!!!」、思わず息をのみました。

 

 急いで説明文を読むと、やっぱり間違いありません。何か見覚えがあると思ったら、なんと、私が生まれ育った実家のすぐ近所にある藤棚が、掲載されていたのです(P109)。ほんとに腰を抜かすほど驚きました。私にとっては近場の遊び場のひとつにすぎなかったのに、それが、名だたる遺産やオーロラと並んで、「世界の絶景」に選ばれているとは……!

 

 そんなありがたい場所が、こんな近くにあったなんて、北九州に26年間も住んでいながら、上京してから里帰りをしたときも立ち寄らず、ああ、なんてもったいないことをしたのでしょう。

 

 さっそく夫に話すと、「そんなもんだろうね。絶景も近所にあると、当たり前の風景になっちゃって、すごい場所なんだって気がつかないもんだよ。今だって東京には観光名所がいっぱいあるけど、いつでも行けると思うから、わざわざ行かないし」。

 

 ちなみに、本書の絶景スポットのひとつに、宮崎の高千穂峡が紹介されていますが、県内出身の夫は、生まれてから一度も行ったことがないそうです。もしかして、私が「一生に一度でいいから行ってみたい」と思った、あの美しすぎるブルーモスクも、地元の人にとっては、ただの「近所のお寺」だったりして……(笑)。

 

 それにしても、あの藤棚はもったいないことをした、もっと早く知っていれば、ああもったいないと繰り返しつつ、はたと気がつきました。今住んでいる街にも「絶景」があることに。

「世界の絶景」ならぬ「ご近所の絶景」

 

 それは、等々力緑地の釣り堀。ここに引っ越してきてから13年たつのに、等々力公園には毎日通っていたのに、その絶景の存在を知ったのは、つい最近のこと。娘が「あっちへ行く」と言うので、いつもは行かない公園の奥の方へ足を伸ばしました。木々に隠れた釣り堀の畔に出ると、そこには豊かな水をたたえた湖と、自然のままうっそうと茂った森が――。

 

 以来、日課の朝ランで必ずここを訪れます。水平線から太陽が現れるとき、湖面がキラキラ輝いて、その美しさは言葉では言い表せないほど。湖畔のウッドデッキから、絶景を眺めながらヨガをする時間は、至福のひとときです。

 

 日の出のとき、湖全体が金色に輝くので、「黄金の泉」と呼んでいます。近所だとありがたみも薄れがちだけど、絶景のリゾートだと思って眺めてみると、近くに住んでいる幸運を心から感謝したくなります。

 

 絶景のパワーってすごい。圧倒的に美しい景色の中に身を置くと、自分が自然の一部になったように溶け込んで、スコーンと頭が空っぽになります。写真を眺めるのもいいけど、自然のパワーをもらうには、やっぱり実際に行くのが一番。

 

 ご近所だから、気持ちが落ち込んだとき、子供とお散歩するとき、気が向いたときにふらっと行けます。

小さな子供がいると、なかなか遠出が難しいもの。この時期だからこそ、、、

「ご近所」をめいいっぱい楽しみたい!!