ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

システム手帳「EdiT」            ~やる気がつづく家しごと手帳~

 「本を1冊書くことは誰でもできる。たまのホームランより、コンスタントにヒットを打てるのがプロの作家である」。

 誰が言ったのか忘れましたが、ライターとして凡才の私が、ずっとお守りにしてきた言葉です。主婦の仕事も同じだなと最近つくづく感じます。

 家事や育児は、1年365日。気分がのらない、時間がない、体調が悪いと言って休めば、とたんに家がまわりません。料理の腕うんぬんより、「毎日コンスタントにヒットを打てる」ことのほうがよっぽど重要でしょう。

 私は家事も育児も得意ではありませんし、大して上達もしていませんが、15年主婦業をして、急場をしのぐ技術だけはたくさん身につけました。でも、コンスタントにヒットを打つためにもっとも重要なものは、じつは技術ではありません。

 最大のカギは、「モチベーションをいかに保つか」。

 なにしろやって当たり前。誰からもほめられず、会社員のような給料もありません。こまごまと小さいことの連続なので、今日私は何をしたのかしら……と思うこともしばしば。モチベーションを保つのは、至難のワザです。

 そこで、やる気アップのために6年ほど前から使っているのが、1日1ページのシステム手帳「EdiT」。「家しごと手帳」と呼んでいます。毎日ほぼ同じ時間割で動いているのに、なぜ1時間区切りのシステム手帳が必要なの?と疑問に思うかもしれません。

 でも、決まった予定があまりない主婦にこそ、時間軸のあるシステム手帳が必要と考えています。なぜなら、この時間は〇〇をした、と書き入れるだけで、「今日は何をしたのかしら……」と首をかしげることはありません。ちゃんと何時に起きた、料理をした、洗濯をした、買い物にも行ったと、成果がひと目で分かります。

 システム手帳と言えば、「未来」の予定を書き込むのが一般的ですよね。これに対し、家しごと手帳は、今日できたこと=「過去」を書き込むのが特徴。未来の予定も書くけれど、あくまで、今日の成果を残すのがメインです。

 「EdiT」を選んでいる理由は、自由に書けるスペースが多いこと。空いた場所に、その日したことを書き入れます。とにかく細かいことまで全部書くのがポイント。たとえば、本日の手帳を見ると、「お茶パックを入れる」「かぼちゃの種を抜く」「カスピ海ヨーグルトに牛乳をたす」。台所に手帳を持ち込んで、何かひとつ完了するごとに記入するのです。

 それはまるで、子供が夢中になるゲームのような感覚。モンスターを一匹ずつ倒して全部クリアしたら、レアカードをゲット!1日の仕事が終わり、文字がぎっしり書き込まれ真っ黒になったレアカードを眺めながら、「あ~今日も頑張った」と、達成感と充実感がこみ上げます。

 カードを手に入れたら、もちろんご褒美も忘れません。挽きたての豆で丁寧に淹れたコーヒーを、お気に入りの特大マグカップにこぼれそうなくらいなみなみとつぎます。お茶のお供は、ドライフルーツとナッツを少々。頑張ったあとのご褒美は最高です。

 さらに、カードが7枚集まったら、自家製サングリアとともにオリーブクラウン蒸し鶏パン&チーズ。30枚集まったら阿佐ヶ谷のビストロでランチ。とくにレアなカードをゲットしたときのスペシャルご褒美は、南千住のうなぎ屋……。そして、パワー不足でモンスターに負けそうなときは、コメダ珈琲店シロノワールで、エネルギーチャージして復活します。

 たかが手帳とあなどるなかれ。これを続けるだけで、強力なモチベーションアップ効果があるんですよ。新聞でこんな言葉を見つけました。

「自己肯定感を育てる上で大切なのは、今日できて、明日もできることを出来栄えに関係なく認めてほめること」