ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

「寺カフェ」~お寺にコミュニティスペースをつくりたい~

 2017年1月5日。コミュニティビジネスカウンセリングを受けました。

経営ド素人の私にとって、「目からウロコ」の連続。

その後の方針を決める大きな転機となりました。

カウンセリングの内容をご紹介します。

 

お寺にコミュニティスペースを作りたい。

そこで、地元のママといっしょに本をつくる、

その本を使ってイベントやワークショップを開きたい。

 

こんな相談をしたところ、長年コミュニティビジネスに携わってきたTさんは、

私にいくつか質問をしました。

 

主なものが次の3つです。

 

 ひとつめは、「〈収益性の見通し〉は、どのように考えていらっしゃいますか?」。

「ええと……本制作のワークショップを開くので、その参加費が収益になります」「地域のお母さんを対象に開催されているワークショップの参加費をご存知ですか? 1講座1000円程度の、いわゆる”市民価格”です。さらに、コンスタントな収益には結びつかないケースが多いので、ワークショップだけでビジネスとして成り立たせるのは難しいでしょう」。

 

 私はもともと経営的なセンスがないと思っているので、ビジネスを立ち上げるなどという大それた望みはまったく持っていませんでした。ただ今までの仕事の枠をもう少し広げたい、これから先、ずっと続けられるライフワークを模索したいというイメージでした。なので、「ビジネスとして成り立たせるのは難しい」という言葉に、「もしや私は場違いなところに来てしまったのでは……」という思いが一瞬頭をよぎりました。

 

 「他の仕事を続けて、ママを対象にした本づくりの活動は、ボランティアのような形でもいいと思っています」「ボランティアでは続きませんよ」。Tさんは、きっぱりと断言しました。豊富な経験に裏打ちされた言葉には、重みがあります。確かにTさんがおっしゃるように、どんなに意義のある活動でも、続かなければライフワークとは言えないでしょう。

 

 2つ目の質問は、「このビジネスを立ち上げる目的は、何ですか?」。

この質問には、迷わず答えることができました。「天職を見つけるためです」。

技術や知識を本にまとめることで、オリジナルの才能に光を当てることができると

考えていました。

ところが、この回答に対しても、Tさんはうーんと首をひねってから、

「〈ビジネスとしての〉目的は何ですか?」と、

「ビジネス」の部分を強調してもう一度尋ねました。

「えーと……、ワークショップをしているうちに人脈が広がって、

本制作の注文が入るとか……ですかね?」。

Tさんの表情を確認しながら、無理やり出まかせになってきました。

「うーん、、、」。

 これも的を射た回答ではなかったようで、

3つ目の質問に移りました。

「このプランでスタートして、次の事業展開はどうしますか?」。

次!? もちろんまったく考えていません。

 

「あのぉ、ワークショップを続けていく感じなんですが……」

「ワークショップは、あくまできっかけ。次のステップで、本格的にビジネスとして、どう展開するかが肝です」「はあ……」。

目が点になっている私に、Tさんが助言をくださいました。

 

 「たとえば、本づくりワークショップをして、

文章が上手なママがいたら何人かスカウトするんです。

そして営業をして、シニア向けの自分史聞き書き事業を展開するとか。

そういう仕事って、おもしろそうじゃない。私もやってみたいなあ」。

 

このときは夢にも思わなかったのですが、Tさんのアドバイスが、

のちに、「ママ出版社」を起ち上げるきっかけになったのです。