ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.18         ~方向性を決めた「Uさんの言葉」~

 2018年5月20日。SK会最高齢の恩師Uさんが、後輩の結婚式に出席するため、島根から上京しました。じつは、このUさんも、夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトをサポートしてくれるアドバイザーの一人。テレビ局で映像編集やディレクターの仕事をしながら、故郷である島根のNPO団体や役所の人たちといっしょに、町おこしの活動を続けています。

 昨年、このプロジェクトのことを話すと、「絵本か、おもしろいね。川崎でうまくいったら、島根でもできそうだな」と、興味を持ってくださったのです。Uさんが目指しているのは、地域の課題を住民たちの手で解決していくこと。「たとえば、これは全国各地が抱えているテーマだけど、島根も空き家問題が深刻なんだよね。絵本の朗読イベントを空き家で開くっていうのもいいかもしれない」。なるほど。その土地の魅力を伝えるだけではなく、「絵本×地域の課題」という視点もあるのか。

 ほかにも、「ボランティアじゃ続かない。少しでも報酬が得られる仕組みを作ったほうがいい」「役所の補助金は3年まで。その間に、自活していく手段を確保すること」「こういう活動は、最初は目新しくて人が集まって来る。その先続けるのが一番難しい。おもしろい仕掛けをコンスタントに打ち出していく必要がある」etc.……。何年も前から町おこしに携わっていらっしゃるだけに、ひとつひとつの言葉に深く考えさせられます。

 中でも心に残っているのは、絵本プロジェクトの準備が思うように進まず、つい弱音をもらしたときにかけてくださった言葉、「自分が好きでやってるんだよ」。だれのためでもなく、まず自分のためにやっている。そのことを忘れないようにしています。

 

 それから数日後。絵本のストーリーを考えていると、もうひとつ記憶の奥底にあったUさんの言葉を思い出しました。「絵を見て分かることは、文章で説明しない」――。 もう20年も前のこと。私が書いたニュースの原稿を見ては、口すっぱく繰り返していた言葉です。テレビの主役は、あくまで映像(=絵)。必要以上に長い説明は、せっかくの絵を台無しにする。見ただけでは分からない背景を掘り下げる、それが絵を生かす文章だと教えられました。

 絵本だって、絵が主役。テレビの原稿と同じことが言えるのではないか。そう考えた私は、今までのボツ原稿を取り出して、もう一度見返しました。絵を見れば分かる文を削っていくと……、あらま、全部なくなっちゃった。問題点がはっきり見えた気がしました。やみくもに書き散らしていたのが、このときひとつの方向性が定まったのです。

 

 20年の文筆業生活、もう今度こそ言葉が浮かばないと思ったことは、一度や二度ではありません。でも、これが不思議と、どたんばで降ってきて、なんとかなるのです。

だから、今度もきっと大丈夫。さて次は、どんな素敵なストーリーが降って来るのか。娘とお散歩でもしながら、ゆるゆる待つことにしよう。

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《お知らせ》ただいま発売中の『オレンジページ』2018/7/2号

今号は2本原稿を担当しました。

P54「家事ストレスを減らしたいなら、助っ人家電におまかせ!」

P70「野菜と穀物の〈糀発酵飲料〉で体がよろこぶおやつタイムを」

☆P54は、雑誌やテレビで活躍している家電コーディネーター戸井田園子さんに、忙しいママの心強い味方になってくれる家電を紹介してもらいました。取材しながらすっかりその気になり、〈床拭きロボット〉を衝動買い。実際使ってみて、す、すごい……。手では拭きにくい壁際まで、自動でぞうきんがけしてくれます。現代の家電って、ますます進化しているんですね♪

 

※仕事の都合で、ブログは1週間お休みします。