ゆめカフェができるまで           

今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.13      ~長い間忘れていた「大切なもの」~

 前回のブログで、絵本プロジェクトに関わった理由について書いたので、ついでに、「このブログを始めたきっかけ」を振り返ってみます。

 

 話は約2年前にさかのぼります。当時は、キャパシティーをとっくに超えているのに、仕事をひとりで抱え込んでいました。フリーランスだから、誰にも頼れないと思い込んでいたのです。体調を崩し、もう今までの方法ではやっていけないと追い詰められて、やっと人に助けを求めることができるようになりました。今は1ヶ月の仕事量を明確に決め、そのラインを越えたら、私が心から信頼しているライターや編集者の方たちに、サポートをお願いしています。

 その中のひとり、ベテランライターSさん。私が雑誌の取材を受けたとき、文章を担当してくださったのが縁で知り合いました。社会人と大学生の3人のお子さんがいる母であり、サルサダンスという共通の趣味から意気投合。出版社を起ち上げてからの七転び八起の日々を話しているうちに「それ書いたほうがいいよ」と勧めてくれたのです。

 

 ゴールデンウィークが明けたころ、ふとSさんの言葉を思い出し、頭に浮かんだことを書き留めたのが、「夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.1」です。誰かに読んでもらうためではなく、どこかに発表する予定もなく、長くてもvol.3くらいで終了するつもりが、ひとつ書いたらまたひとつ、こんなこともあった、あんなこともあったと思い出し、気が付いたら、vol.13。

 とくに目的を持たずなんとなく書き始めましたが、文章に表現することで、このプロジェクトで目指したい目標を改めて確認したり、支えてくれる人の顔がひとりひとり浮かんで、感謝の気持ちがあふれました。

 そして何より、こんなに自由に文章を書いたのは、何年ぶりのことでしょう。結果を出さなくてはならないプレッシャーもなく、締め切りに追われることもなく、クライアントに気を遣うこともなく、心がおもむくまま言葉を紡ぐ。誰のためでもなく、ただただ、自分のために書く――。

 ある日の朝のこと。「早く原稿を書きたい」と心待ちにしている自分に気がついて、はっとしました。長年ライター生活を続けるうちに、いつの間にか忘れていた、楽しんで書く気持ち。今この瞬間感じた気持ちを、忘れず大切にしていきたい。何気なく始めたブログが、私に思いがけないプレゼントをくれたのです。

 

 なぜかわかりませんが、誰も読まない文章なのに、1テーマの制限文字数は1200ワード程度と設定し、「このエピソードはどうしても入れたいけど、文字数がオーバーするから断腸の思いで削ろう……」などと、自ら赤字校正しています。職業病でしょうか(笑)。