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今度はおぬしが夢を叶える番じゃ

夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトvol.9        ~「イベント3本柱」が固まる~

 2018年3月12日、いよいよ夢見ヶ崎動物公園絵本プロジェクトをお披露目する日。半年間かけて練ったアイデアを資料にまとめ、審査員の前でプレゼンしました。

 

 いっしょに発表するのは、プロジェクトのディレクターを務めるNPO法人「はたらくらす」のNちゃん。今回の企画の要である「区民を巻き込むイベント」の運営をはじめ、スケジュール管理、区役所との連絡、経理を一手に引き受けてくれる心強いパートナーです。大雑把な性格の私とは正反対の丁寧な仕事ぶりと、きめ細やかな心配り、責任感があるところにほれこみ、「二人三脚で、このプロジェクトをサポートしてほしい」とお願いしました。私ひとりでは何もできませんが、人との出会いに恵まれ、本当に感謝しかありません。

 

 他の団体のプレゼンが終わり、午後3時、最後に私たちの出番がやってきました。企画内容を説明する持ち時間は約10分。事業の計画性や実施体制など、10の採点基準がありましたが、持ち時間のすべてを使って披露したのは、イラスト、写真、デザイン、文章etc.―。「ママアーティスト」の作品です。女性たちのさまざまなスキルを活かして絵本を作り、子育て世帯にまちに関心を持ってもらいたい。もうひとつ、地域の魅力を発信するツールとして、夢見ヶ崎動物公園以外の施設やイベントを紹介する「新聞」の制作も提案しました。

 

 あっという間に時間が過ぎ、チーン、プレゼン終了のベルが鳴りました。じつは私、人前で話すことが大の苦手。ずらっと並ぶ審査員を前に、最初は手が震えてマイクを持てないほどでしたが、企画の内容には関心を持っていただけたようでした。

 

「これはとても興味深い。ママアーティストを集めたら、今回の企画だけではなく、他の事業につなげるプランはないんですか?」と女性の審査員。男性審査員からは、こんな意見もありました。「あくまで個人的な感想ですけど、絵本企画をもっと深めていくこともできますよね。たとえば、絵本のキャラクターが登場する人形劇を上演するとか、読み聞かせとかイベントとか。地元にいろいろな団体があるから、そことコラボしてということも考えられますね」「貴重なアイデア、ありがとうございます!」。

こうして、絵本を使ったイベント3本柱《①朗読コンサート ②絵本のルートを巡る街歩きイベント ③人形劇》が決まりました。

 ところが――。審査員の方たちの好意的な反応に、ホッと胸をなでおろしたのもつかの間、数日後にまったく予期せぬ展開が待ち受けていました。